第9章 好きなタイプ。
人を疑うなんて
失礼やけども…
渋谷くんの人柄を
良く知らないからこそ
変に信用は出来へん。
渋「次からは、」
「へ?」
渋「中まで着いてくわ」
「な、な、なん、」
渋「………心配ってのもあるけど…なんか嫌やから」
「えっ…?」
渋「"友達"が嫌な目に合ってるとか」
思っても無かった言葉に
びっくりもしたけど…
凄く胸が痛くなった。
「…………………」
そうやんね。
私は"友達"でしかあらへん。
特別な存在にすらなれない。
それでも心の中で
渋谷くんが私だけの
ヒーロー兼王子様やったら
良いのにな、って思う。