第9章 好きなタイプ。
今か今か、と自分の手に
バナナオーレが来るのを待つも
ずっと渋谷くんに握られたまま。
(早く頂戴!温くなっちゃう!)
渋「食い付き過ぎやろ、」
「………もう無理です!」
渋「は?何が……あぁっ!」
くれないなら奪うまで。
バナナオーレは時に私を
猛獣へ立ち向かう
英雄にさせてくれる魔法の飲み物。
(我慢出来なかっただけ)
渋「ちょお、勝手に取んなや」
「いただきまーすっ!」
横で何やらブツブツ文句たれてる
渋谷くんを無視して
ストローを刺したら
一気に吸い込む。
「おいひぃ…」
私はきっと
バナナオーレを
飲む為だけに
生まれて来たのかもしれない。
そう思える程
幸せ過ぎて
今、めっちゃだらしない顔してるはず。