第9章 好きなタイプ。
渋「そうと決まれば行くぞ!」
「はいっ!」
声を高らかに私達は図書室を目指す。
もちろん手を繋いで。
おまけに繋いでるのが
今滝先生に掴まれてた方の手。
渋谷くんで消毒〜!
……なんちゃって。
渋「自販機寄ってかん?」
「は、はい」
同じ方向へと足を踏み出す。
授業中やから
変に静かな校舎。
2つの歩く音が響いてて。
耳の中ではもう1つの音も響いてる。
それは自分の心音。
もしかしたら渋谷くんに
聞こえてるかもしれない。
めっちゃ動いてるねん。
どう対処したらえぇんか
全然、分からへんから
ほっときぱなっしやけど…
トクントクン、と心臓が震える度
隣に居る渋谷くんへの想いが膨らむ。
今すぐにでも「好き」って言っちゃいそうなくらいに。