第2章 見た目。
少し悲しそうに聞こえた声。
そう感じただけかもしれないけど…
私の中で罪悪感が生まれる。
さっきの笑顔を見てから
怖さは少し減ったような感じは
しない事も無いんだけど…
「…………」
渋「…………」
睨まれると、やっぱり怖くて。
正直に『はい』というのは
あまりにも失礼過ぎるし…
どうやって切り抜けたらいいんやろ。
と、何も答えられずに居たら
始業のチャイムが鳴り
同時に教室の前のドアが開く音もした。
「席に着けー」
渋谷くんといい勝負をするであろう
気怠そうな担任の声。
「っと…分かんないです、すみません」
顔も見ずに謝って
前を向いたら
急いで、出しっ放しだった
数学のノートを片付け
理科の授業の準備をする。