第2章 見た目。
「あ、あの…」
渋「ん…?」
さっきから
返せずにいるノート。
持ち過ぎていたせいか
両手の体温が移っていた。
渋「あぁ、せやったな…」
気だるそうな視線は私の手へ。
「あっ、ありがとうございました」
と、ノートを渡した時
お互いの指先が軽く触れる。
ドキッとして
慌てて手を引っ込めた。
渋「………ちゃんと読めたか?」
「………え、あ、はい」
渋「字汚いやろ」
「そんな事無いです、漢字綺麗でしたよ」
渋「は?」
「あっ、すみません…偉そうに…」
借りといて何を言っちゃってんの、私。
これは、蹴飛ばされても文句言えない。
蹴るなら来い!
と、肩を竦めて目をきつく閉じ身構えたら…
渋「………そんなに怖い?」