第9章 好きなタイプ。
今「おはよう、」
辿り着いた私に向けられたのは
ニコッと最高に気持ち悪い笑顔。
その笑顔へ引き攣り笑いを返す。
きっと香絵ちゃんが居ないから
機嫌が良いんやろうね。
(あーぁ、ほっぺたに力が入って痛い)
早く教室へ戻ろう…
「……何かありますか?」
今「そうだなぁ…特に何も」
………あれ?
今日は何もして来ない?
香絵ちゃんに着いて来て貰うまでは
近付いた瞬間から周りには見えへんように
手握って来たりしてたのに。
「分かりました、」
良かった。
何もされへんかった!
と、油断したのも束の間。
今「」
………やっぱりそう世の中甘くないか。
周りから見えないように手首を握られた。