第9章 好きなタイプ。
「えっ…と、」
言うべきか言わざるべきか。
悩んではみたものの
間近にある真剣な顔に
耐え切れず…
(眼力が凄くて)
「………その、ですね」
言ってみようかと思うけど
少しばかり躊躇う。
知られたくない。
恥ずかしくて。
微動だにせぇへん視線から
逃げるように足元を見る。
渋「言えんのやったらえぇから」
と、何故か頭をポンポンされた。
慌てて顔を上げれば…
たまに見かける
穏やかな目と目が合って。
その表情に胸がときめく。
渋「………ごめんな」
フルフル、と首を横に振れば
緩やかに唇が弧を描いた。