第9章 好きなタイプ。
引っ張られる感じで
歩いてる渡り廊下。
注目を浴びる中
平然と進んで行く。
こういうのも彼にしたら
当たり前な事で。
そこからしてもう違うんよね。
ほんと、なんで私なんかを
友達にしようと思ったのやら。
渋「………なぁ、聞いてえぇ?」
ピタッと足を止め振り返った彼に「は、はい」と返事をする。
何を聞かれるんやろ…
手が汗ばんでる理由かな?
もし、それを聞かれたら
こんな蒸し暑い梅雨の時期に
しっかりと手を繋いでる
渋谷くんのせいです!
……なんて言える人が果たしているんやろか。
「な、何でしょうか」
渋「あのおっさんを嫌う理由って何なん?」
「あのおっさん…とは?」
渋「今滝しか居らんやんけ」