第8章 おでこに…
腕をしっかり掴まれ
帰るに帰れない。
まだ何かあるんやろか?
次は何をやらかした、私…!
と、頭をフル回転させてる間にも
渋谷くんは更に距離を詰めて来ていて…
傘を持つ手に手が重ねられる。
「あ、あの…」
渋「させてくれんと」
「………え?」
渋「ビビってたやろ?さっき」
「っ……!」
ジリジリと詰め寄られ
ゆっくり近付く顔。
心臓のドキドキは
最高潮を迎え
緊張で体に力が入る。
肩に手をかけられ動けない…
渋「めっちゃ凄いのしたんねん」
意地悪な笑みを浮かべ
唇を近付けられる。
初めてのキスを
こういう形で失おうとするなんて…