第2章 見た目。
「急に雨凄いんやけど」
近くに居た女の子の言った通り
窓の外は、バケツをひっくり返したかのような
どしゃ降りになっていて。
これは、傘を差しても濡れてまうやん。
帰るまでには雨が落ち着いて欲しいな、と
窓に打ち付けられてる雨粒を見てたら…
渋「ダルい…」
と、机に突っ伏した。
渋「雨、苦手やねん…」
渋谷くんは猫さん体質なんやね。
顔つきも、何となく猫さんっぽいし
もしかしたら
ほんまに猫さんやったりして。
そう思うと、頭の中で
猫さんの格好をした渋谷くんが
ニャーッと鳴いていた。
なんか可愛い…
渋「何が可笑しいねん」
「えっ、あ…ご、ごめんなさい」
緩んでいた私の顔を見ていた渋谷くんが
怪訝そうな表情を浮かべる。
猫さんな渋谷くんは
私の想像上の姿であり
実際の渋谷くんは虎。
いや、ライオン?
どちらにしろ
可愛さとは皆無な人。