第2章 見た目。
渋谷くん、ちゃんと板書してるんや。
ノート写させて貰っといて
こんな事を思うのは失礼やけど。
そう言えば、渋谷くんって
授業をあまりサボったりせぇへんよね。
ワルそうな人は
サボりの常習犯ってイメージがあるだけに
そういうとこも含めて
"意外やなぁ"と思ってしまう。
見た目で人は判断したらあかんって言うけど
その通りやなぁ、なんて。
「あ、あのっ」
写し終えたから
ノートを返すために後ろを向くと
机に突っ伏して気だるそうにしてた。
しんどいんかな…?
渋「…………ん?」
ムクッと顔だけを起こす渋谷くん。
凄い怠そうにしてる。
授業中は普通やった気がするんやけど…
「だ、大丈夫ですか…?」
渋「ん…大丈夫…で、何」
「ノート、写し終わったんでお返ししようかと…」
渋「あ、もう終わったんや」
早いな、なんて言いながら
体を起こして椅子にもたれる。
ほんまに大丈夫なんかな?
ちょっと心配になって来た。