第8章 おでこに…
他にもマンションはあるのに
何でかこの茶色のマンションだけが
一際、目に付くねん。
「………めっちゃ普通やのに」
渋「あ?」
ビクッとなる体。
なんで機嫌悪いの…
(こんなん我慢するなんて無理)
渋「何が普通やねん」
「えっ…あ、ご、ごめんなさ…べ、別に、ふ、深い意味は、なくて…ですね、」
もう怖さを隠し切れず
声が震えて途切れがちに。
目も潤み出し
前を見てられなくなって
俯くしか無かった…
こんな事で泣いてたら
変な奴やって思われる。
唇を噛み締めて泣くのを堪えるも…
渋「………ごめん、」