第8章 おでこに…
村「何を怒ってんねや、すばる」
渋「怒ってへんわ」
鞄と傘を持って
資料室へ行くまでの渡り廊下で
雨の音を聞きながら
トボトボと歩いてたら
前の方にあの7人が居て。
安「そんな拗ねんでえぇやん」
大「せやせや」
渋「やから拗ねてへんわ」
丸「めっちゃ顔に出てますよ~」
横「分かりやすいからなぁ、すばるは」
渋「やったらなんで本人は気付かへんねんって話やろ。なぁ?ヒナ」
と、後ろに居る村上くんへ振り返る渋谷くんと目が合った。
ドキッと心臓が跳ね上がり
思わず足が止まる。
さっきの事が気まずくて
渋谷くんを見れずに視線を落とした。
村「どないしてん」
安「どこ見てんの?」
大「………あっ!さんやん!」
そんな会話と呼ばれたから
顔を上げれば全員が
こっちを見てたんやけど…
渋谷くんだけが
直ぐに背中を向けた。
その後ろ姿にまた胸が痛む…