第8章 おでこに…
「な、何するんですか。痛いんですけど…」
渋「傘の無い俺はどうしたらえぇねん」
「へ…?」
渋「濡れて帰れ言うんか?」
「あ…」
そうや。
傘入れて、って
言われてたんやったわ。
今滝先生の事で
すっかり忘れてた。
「ごめんなさい…今滝先生に呼ばれてるんで…無理になりました」
渋「知ってるわ、見てたし」
「でしたら離してくれませんか?」
渋「やから言うてるやん。俺は濡れて帰らなあかんのかって」
「……あのー…仰ってる意味が分からないんですけど」
掴まれたままの髪。
(睨み加減が強くなったのは気のせいや)
傘は仲間の誰かが持ってるやろうから
入れて貰えばえぇやんか。
って言えたら良いよね。