第1章 夏の思い出作り(赤)
「なんで水着ちゃうん?」
「はぁ」
「海の家で働く女の子はなぁ…水着を必ず着用するっていう暗黙のルールがあんねんで」
「……………」
「うわっ、何その冷たい目。ひゃぁぁぁあ~っ!」
扇風機に向かって
奇声を上げてる大倉さん。
暑さで頭をやられたみたい。
とりあえず
うまく言い訳した方がえぇよね。
正直に言ったら失礼やし。
「見たいなぁ、ちゃんの水着姿…」
ショボーンッて
効果音がしそうな位のヘコミぶり。
何故に。
いや、私の水着姿見て
誰が得すんだ!っていう話なんですが。
見たいって言われて
見せたら引くんやろがい。
そんくらいブヨブヨで
笑えますよ、マジに。
「止めとけ、止めとけ」
大倉さんから
扇風機前ポジションを奪い
涼しんでる渋谷さんが
顔だけこっちに向ける。
何よ、止めとけって。
2回も言わんでえぇやん。