第1章 夏の思い出作り(赤)
「発声練習です…多分」
「多分て。まぁ、やりたなるけどな」
「ですよね!」
「ほれ、出来たぞ」
コトッと置かれた
目玉焼きそば(略してみました)に
フランクフルト、鮭おにぎり二つ、麦茶…
うん、頼み過ぎた。
こんなボリューミーやなんて知らんかったし。
でも、食べなきゃ!
自分で頼んだんやし!
ってか、それより…
「麦茶は頼んでないですけど」
「寂しい姉ちゃんにサービスやん」
「や、でも、」
「ラムネのがえぇか?」
「いえ、」
この量を平らげるなら
炭酸なんて飲んでられない。
麦茶も危ういけど…
サービスなら貰わなきゃ。
「いただきまー…」
割り箸を持って
焼きそばを食べようとした手が止まる。
なんか当たり前のようにしてるけど
なんで、この人隣に座ってんの?
おまけに、テーブルに肘乗せて
めっちゃ私を見てるんやけど。