第1章 夏の思い出作り(赤)
「食べてくんか?」
「はい、」
「ん、ほな持ってたるから中入って扇風機当たっとけ」
さっきの無愛想は何やったんか、と思うくらい
店員さんは急にフランクな感じを出してて
焼きそばがお皿に盛られるのを見て
言われた通り、中へ入った。
扇風機が畳の上で働いてて
外からの陽が入らない分
ちょっとは涼しい…
なんて事は無くて。
「あづー…」
お店やと言うのに
つい声に出してしまう程暑い。
サンダル脱いで
扇風機の前に行って風を浴びる。
こうやって扇風機があると
ついやりたくなる事…
「あ"~、んんっ………ワレワレハ~」
「何しとんねん」
笑いを含んだ声がして
振り向けば、笑ってる店員さん。
み、見られた!!