第1章 夏の思い出作り(赤)
「まぁ、そういうこっちゃや。はい、着いたで」
と、車を停止させる変態。
後ろを振り返り
窓の向こうを見れば見覚えある駅。
ほんとに何もせず送ってくれた事に驚く。
「あ、ありがとう、ございました…」
なんか変態にお礼を言うのは不服やけど。
送って貰ったんやから
言わんと失礼過ぎる、それこそ。
「…………ほら、はよ行かんと終電無くなんぞ。ここは都会と違って田舎やから」
「え、あ、はい」
後ろにある荷物を取り
車のドアを開ける。
空調で冷えていた肌に
ムワッとした生温い空気が
一瞬だけ、気持良く感じた。