第1章 夏の思い出作り(赤)
「はい、知ってます」
「姉ちゃん、歳サバ読んでへんか?これ、俺が小学生らへんの時に流行ったやつやで。生まれてへんやろ」
「正真正銘の22歳です。生まれてなくても、テレビとかで流れてたりしますし」
だいたい、変態にサバ読んだって
何の得にもならんでしょうよ。
早く駅に着かへんかな…
と、思ってたら車が動き出した。
お腹空いたし
車の小さな震動が
やけに心地良くて瞼がゆっくり重くなっていく。
空調から出て来てる冷たい風の音や
好きな曲も、どんどん遠くに聞こえて
視界が真っ暗になった時…
「眠いなら寝ててえぇぞ。着いたら起こしたるし」