第1章 夏の思い出作り(赤)
コンビニの駐車場に停めたままの車内では無言を貫き通していた。
逃げるにも荷物は後ろに置いてあるから
何も出来ずにいる。
フロントガラスの手前には
手のひらサイズくらいのニコちゃんマークのぬいぐるみが飾られていて
変態なのにニコちゃん…ですか。
人の趣味は分からへんもんやね、なんて思っていると
「曲、かけてえぇ?」
カーナビを操作しだす。
返事を聞かへんのなら勝手にかけたらえぇのに。
確認する意味あらへんやん。
トントンッ、と操作をしてく指。
その動作を見ていたら
カーステレオから懐かしい曲が流れ始めた。