第1章 夏の思い出作り(赤)
「あなたに言われなくても最初からその予定でしたし、夏休みは」
「は?」
「強引に連れて来られただけで、別に好きで来た訳じゃないですから」
電池が残りわずかなスマホで時間を確認すれば21時になろうとしていた。
足下に降ろしてた荷物を背中に担ぐと
煙草の煙を燻らしている、その人に背を向けて
駅へ向かって足を踏み出す。
「ちょ、どこ行くねん!」
なんて慌てたような声を聞き流す。
やっぱり野宿は嫌やし
かと言って、泊まるところが無いのなら
到着が深夜になろうとも帰るしかあらへんもん。
あ、そうや。
この荷物、ここのコンビニから自分の家に送ろ。
ついでに何か食べる物も買ってお腹を満たそう。
さっきから地味にお腹空いててん。