第1章 夏の思い出作り(赤)
まさかな、とは思いつつ
止まった車を見つめていたら
車の大きさに似合わない小柄な男の人が
運転席から降りて
怠そうにサンダルをペタペタと鳴らし
こちらへ歩いて来る。
昼間見た、ハットにアロハ。
そして、短パン。
足、ほっそいな。
腹立つわ、なんか。
いや、足だけやなくて
全体が細いで、この変態さん。
「ちゃんと待ってたんやな」
「待たないと着信が凄そうなので」
「そんな露骨に嫌な顔せんでえぇやんけ」
と、慣れた手付きでアロハの胸ポケットから煙草を1本取り出し口に咥える。
その様子を見てた私に気付いて…
「吸うてえぇ?」
「どうぞ」
このタイミングで聞くんや。