第1章 夏の思い出作り(赤)
「へーい、」
奥から、中折れストローハットを被りながら男の人が気だるそうに出て来た。
めっちゃやる気ないやん、この人。
出て来るのも遅いし。
「あ、焼きそばとフランクフルトとおにぎり鮭下さい」
焼きそばは、あると必ず食べてまうくらい好き。
後は、オプション的な感じで頼んでん。
食べなきゃやってらんないって。
またお腹にお肉ついちゃうけど。
分かってても食べちゃうのが女子~
「………焼きそば、フランクフルト、おにぎり鮭な」
気だるそうに鉄板で焼きそば作り始めた。
無愛想な店員さんやな。
笑顔の1つも振り撒かないなんて。
そんな接客やから、お客さん居らんのちゃう。
なんて声には出せずに
心の中でいちゃもんつける小心者な自分。