第1章 夏の思い出作り(赤)
「すみませーん、」
普通、お店って人が居るはずなのに
お客さんどころか、店員さんすら居なくて。
中の様子を伺うように覗く。
営業してへんのかな?
や、でも扇風機回ってるし…
「すみませんーっ!」
大きな声を出して見ると
中から、ガチャッとドアの開くような音がした。
なんや、居るんやんか。
店員さんが出てくるのを
上にあるメニューを見て待つ。
戻っても、どうせ邪魔モンやし。
せやったら、腹拵えしてから戻ろうと。
その方が、あの2人にも好都合やろうし。
何食べよっかなぁ。
お腹減ったもん、待ちくたびれて。