第1章 夏の思い出作り(赤)
『ちょうど店閉めたとこやから迎えに行くわ』
「………は?」
『気が向いたから電話して来てくれたんちゃうん?』
「すみません、気が向いたの意味が…」
『えっ、遊んでくれんのやろ?』
「……………」
『姉ちゃん、めっちゃえぇ声出しそうやから楽しみやわ』
「………………」
『さっきから無言やけど、どうし…』
通話終了ボタンを押して切る。
掛けた私が馬鹿でした。
あー、もうチャラいの嫌い。
スマホを鞄に直そうとしたら着信が鳴る。
相手は、チャラい変態さん。
もちろん、無視。
「…………………」
着信が鳴っては切れて、また鳴るを繰り返すスマホ。
着信履歴が全部同じ番号で埋まっていく。
いくら何でもしつこ過ぎる。
電池消耗してまうやん。
今も着信中。
仕方ないから出る。