第1章 夏の思い出作り(赤)
「どうしよ…俺めっちゃ幸せ過ぎてもうこの世に未練無いわ」
「大袈裟ちゃう?」
「ヒナくんに自慢したろ。すばるくんが俺に会いに来てくれたって」
「お前はいつもなんかあったらヒナに報告するよな」
「ヒナくんは俺のライバルやもん」
「なんやそら」
目の前で繰り広げられる会話。
髪も肌も黒い彼が
りょうさんである事は確かで。
そのりょうさん目当てに
女の子達が集まってる事も分かった。
そして、りょうさんが
変態の事を大好きなのも
一目見て分かる。
というか、私はスルーやん。
アウトオブ眼中。
「どうや?気、合いそうやろ?」
「…………え?」
変態にいきなり話を振られたのと同時に
りょうさんが私の方へ目を向ける。