第1章 夏の思い出作り(赤)
車内に流れるのは
夏になれば
必ず耳にする歌で。
隣に居る変態は
運転しながらも曲に合わせて
トントン、とハンドルを握ったまま
指でリズムを取ってる。
この光景デジャヴ。
「さ、どこ行こか」
「え?」
「行きたいとこあんなら連れてったんで」
「お昼ご飯は…?」
「んなもん、いつでも食えるやろが」
「鬼っ!!朝ご飯食べれなかったのはどっかの誰かさんのせいなのに!!」
「ピーピーうっさい奴なぁ。の好きなんばっかあるとこ食いに連れてったるから我慢しろ」
「好きな物?」
「焼きそば、唐揚げ、しょうが焼き、うどん」
「………なんでそんなに私の好物知ってるんですか」
「亮が好きなん言うただけ」
そこまで食べ物の趣味が一緒なりょうさん。
一度、お会いしたいもんやわ。
(炭水化物は神)