第1章 夏の思い出作り(赤)
「余計なもんちゃいますし。子どもを産む為にあるんですよ」
「そんな予定どころか相手すらおらへん奴が何言うとんねん」
「…………………」
く、悔しい!
その通りやから
何も言い返されへん。
こんな事言われる時点で
自分は対象外なんやって分かるから
一気に気分が沈んでく…
やけど"楽しい思い出作り"なんやから
落ち込んでらんない!!
「分かんないですよ?ひょんな出会いがあって来年の夏はラブラブな彼氏と過ごしてるかもやし…ってか、過ごしますよ」
「お、言い切ってるやん」
「それで渋谷さんと大倉さんに見せびらかしに来ます」
「今年やないんやな」
「こっ、今年はもう…諦めてますから、」
「ふーん…まぁ、がんばれよ」
興味無さげにカーナビをいじり出したあと
車内に音楽が流れ始めた。
(また懐メロやん)