第1章 夏の思い出作り(赤)
「どないなっとんねん、お前の体内時計は」
今度は苦笑い。
仕方ないやん。
今朝の気不味い空気の中で
食べられる人が居るなら
連れて来てよ、って話やし。
「何食う?」
「焼きそば」
「即答やんけ」
「やって、昨日作って貰えんかったし」
「どんだけ好きやねん」
「焼きそばの海に溺れたいくらい」
「ソース臭凄そうやな」
会話してる間にも
駐車場に到着してた。
ピピッと鍵を解除して
助手席のドアを開け
待ってくれてる変態。
「……………ジェントルマンですね」
なんて言いながら車に乗り込めば
片方の口角だけを上げる笑み。
くっそぅ…!
ほんとにかっこいいやん。
変態にいちいちいちいち
表情や仕草にときめかされるなんて…