第1章 夏の思い出作り(赤)
これ以上会話したら
下ネタを投下されるだけな気がして。
黙っとく事にした。
というか、もう暑過ぎて
喋る気力すらない。
「……………………」
「……………………」
2人の間で繋がれた手。
海水浴で賑やかになり出した浜辺。
目線をやれば
海に反射した太陽の光が
キラキラ眩しくて。
この海で過ごした思い出も
同じようにキラキラ輝いてる。
嫌々、着いて来た旅行やったけど
今は来て良かったなんて思ってたり…
「しっかし、暑いな…」
「あの、」
「ん?」
「ちょっとお腹空いたんですけど」
「何時や?」
「待って下さいね…」
ガサゴソとバックの中を探し
スマホを見れば
もう11時50分過ぎで。
変態に時刻を伝えれば「早過ぎひん?」と呆れた顔。