第1章 夏の思い出作り(赤)
無理に合わせてくれてた。
そんな負い目があるから
強気には出れなくて
黙ってたら…
「…………ごめん、」
何故か謝られた。
何に対しての謝罪なのか分からなくて
目線を上げれば悲しげな顔と目が合う。
「楽しくない、とか…合わせてたとか…そんなん嘘やから」
「……………へ?」
「めっちゃ楽しい、と居ったら」
「……ほんとですか?」
「ほんまや」
「……………」
「なんやその疑いの目」
「変態の言う事は信用するなって言われてますから」
「誰にやねん。嘘やったらこんなクソ暑い中わざわざ追い掛けて来るかいな」
「…………ですよね」
多分、この変態は
本当にどうでも良かったら
無関心なんちゃうかな。
そんな気がする。