第1章 夏の思い出作り(赤)
グイグイ引っ張られ
歩いて来た道を戻って行く。
「ほんと止めて下さい!」
抵抗しても全然無反応。
楽しくないのに
私と過ごす事のが大事やなんて。
もう言ってる事むちゃくちゃやん。
「こんな事されても迷惑ですから!」
と、ほぼ叫びに近い声を上げれば
少し早めに歩いてた足が止まった。
やっと聞き入れて貰える。
そう安心して
手が離れてくのを待つも…
「……………言うなや、」
「え?」
「楽しくなかった、とか…迷惑とか…」
ギュッと私の手首を掴む力が強くなる。
向けられたままの背中。
肩が震えてるような…
声も少しばかり震えてた気がした。
「………ごめんなさい、」