第1章 夏の思い出作り(赤)
「店番ならヤスが代わってくれるから大丈夫や」
「………………」
「そりゃあ綺麗で乳デカい姉ちゃんと居った方が過ごし甲斐あるやろうけど…と過ごす事のが大事やから、」
「……っ…」
信じたらあかん。
こういうのも演技なんやで。
信用して一緒に居たら
また傷付くだけ…
「本当に…良いですから、」
「…?」
「言いそびれちゃいましたけど…私も、楽しく………なかったですし」
「……………………」
「それに…一緒に居たって…」
疲れますから。
そう言いたかったのに
後ろから手首を引かれ
無理やり歩かされ始める。
「離して下さいっ…!」
自分の方へ腕を引いたり
空いてる手で退けようとしたけど
手首を掴んだままの手は
ぴくりとも動かへん。
細いのに、どこにそんな力があんのよ。