第1章 夏の思い出作り(赤)
カチカチ、と壁にかけられた
時計の音だけが
鳴り響いてる部屋の中。
寝なあかんやろ、と言われてから
どれくらい時間が経ったのか
分からへんけども…
変態は床に寝転がり
クッションを枕にして
タオルケットに包まり
もう寝ちゃってると思う。
ベッドの上に居る私は
ただ真っ暗な空間を見つめていた。
この部屋で寝るのは今日が最後。
そう言えばこの3日間"おやすみ"って言うてへん…
なんか寂しいなぁ、なんて。
過ぎた事はもう戻らんから
しゃーないけど…
もうほんまに終わりなんよね。
このまま夜が明けて
お店の手伝いが終わったら
電車に乗って帰る。
明日の今頃には
もう家に着いてて…