第1章 夏の思い出作り(赤)
『そんなん止めてあげてなぁ〜、すばるくんめっちゃ繊細やから〜』
「し、しませんよ!」
『やんなぁ!ちゃんはそういう子やないって分かってるよ〜』
「………ありがとうございます」
『いえいえー』
「え、っと…大倉さん、」
『はーい?』
「その、私…」
『うん、』
「好きです」
『………すばるくんを?』
「はい…恋愛として」
逸る胸を抑えながら報告すれば『そっかぁ!』と嬉しそうな声が返って来た。
ふにゃふにゃと
酔ってるとこが想像出来て
思わず、クスッとなる。
『ほんなら今からでも気持ち伝えちゃう感じやんなぁ』
「え?」
『明日、楽しみにしとくわぁ』
「へ?楽しみ?」
『すばるくんとイチャイチャしながら店来てなぁー、ほなねぇー』
「え、あ、ちょっ、」
私の声を無視して『ばいばーい』と通話が切れた。