第1章 夏の思い出作り(赤)
「あの、」
『あ、ごめんなぁ?イイとこ邪魔してもうて』
「……………」
『今なぁ、すばるくんとちゃんの事をアテになぁ、ヤスとなぁ、呑んでんねーん』
思わず、耳が反応した。
大倉さんの声の後に『呑んでまーす、キャハーッ』と明るい声。
ヤスって…
この部屋の玄関に
女物のピアスを落としてた
やすさんよね!?
というか、何をアテにしてんの。
『素直になって告白したん〜?』
「へっ!?」
『せやなかったら、エッチしよってならへんか〜』
「や、その…」
『えー、もしかしてひと夏の経験ってやつ〜?』
「………………」
とてつもなくウザ過ぎる。
聞こえてたらどうすんの?って焦るくらい
声が大きいです、大倉さん。