第1章 夏の思い出作り(赤)
「ご馳走様でした、」
「ほほまふはまへひは」
「やからな、食うか喋るかどっちかにしろって」
「………しゃーないでしょ。誰かさんが食べないからお皿の上しいたけだらけですもん」
変態のお皿には何も乗ってなくて。
所謂、完食ってやつ。
というか、人に玉ねぎ食べろって
無理やり食べさせといてさ…
自分は嫌いなの食べないって、どないなん。
「あかんねん、きのこ類…松茸以外はほんっまに。覚えといてくれ」
めっちゃ贅沢口やな。
きのこ類苦手やなんて
可愛いやん、変態の癖に。
好き嫌いを知ったところで
もう意味ないんやけどね。
やのに覚えといてくれ、なんて。
私達の関係に
先があるみたいやんか。
「………ありがとうございます、全部食べてくれて」
「ん?あぁ、空腹は究極の調味料言うからな」
「……………」
ニヒッと笑う変態を無言で見つめた後
自分のご飯を口へと入れてく。
もう作る事あらへんから
どう思われてもえぇや。