第1章 夏の思い出作り(赤)
「不味かったら残して下さい」
あの後、買い物を終え
帰って来たら20時ちょっと過ぎてて。
先に変態にシャワーして貰って
その後に私もシャワーしてご飯を作った。
(ひよこのエプロン拝借)
「へぇー、料理出来るんやな」
「変態程じゃないですけど」
時間も時間やし
自分んちやないし
何も考えず作ったから
食べれたモンちゃうかも。
栄養バランスとか
一切無視やからね。
こういう時、マンガやドラマやとさ
彩りの良いご飯を作るんやろうけど
そんなに出来た女ちゃうもん、私。
「いただきまーす」
「ほんとに不味かったら出して下さいね、すぐに」
「う"っ…」
「食うてへんがな」
「冗談やん冗談…どれどれ、」
なんてお世辞にも美味しそうに見えずなそれらを物色しつつ、メインの炒め物的なのから箸を付けた。
口に運ばれるのを見届ける。
うわ、これめっちゃ緊張するんやけど。
彼氏に初めて手料理食べてもらうみたい。
「んー…」
眉間に皺を寄せる。
あ、やっぱり不味かったか。