第1章 夏の思い出作り(赤)
「ほな、つけんぞ」
「っはい!」
ジッポの火が私の持ってる花火につけば
瞬く間に色の付いた火が
色鮮やかに勢い良く噴き出した。
「たーまーやー!」
「打ち上げ花火ちゃうぞ」
「いいじゃないですか!花火に変わりはありませんから!」
「まぁ、そうやけどさ…それでも何かちゃうやろ」
「ちょ、早く!早く!」
「あ、コラ!じっとせぇ!つかへんやんけ!」
私の花火から変態の花火へと
火を繋いでく。
消えない内に新しく花火を出しては
火を移して行った。
回してみたり
纏めて持ったり
走り回ったり…
「何してるんですかー?」
花火を回しながら
隣で何やらゴソゴソしてる変態を見れば
ニーッと悪戯少年みたいな表情で
持ってた花火に火をつける…
「あちっ!」
「っ!?」