第1章 夏の思い出作り(赤)
「そういう事ならえぇよ」
「ほな、行って来るわ」
「行ってら~」
「せや、」
「はい」
「スイカ、全部食べててえぇで」
全部…
「はいっ!」
「ん。ほなちょっと留守番頼むわな」
ニッと笑い頭をくしゃっとされる。
なんかこっ恥ずかしいわ、これ。
大倉さんニヤついてそう…
「暇やなぁ~」
大倉さん、呑気にカウンターで
伸びしてる場合ではないかと。
よく分からんけど
経営とか大丈夫なんやろか?
心配しつつ、スイカを食べる。
「美味しっ」
「やろ?」
キンキンに冷えたスイカが
口の中を冷やしてくれる。
カウンター席に座った大倉さんが
畳に上がり隣へと来た。
位置は真向かい。
気にせずスイカを食べ続ける私。