第1章 夏の思い出作り(赤)
畳に上がり、真向かいへ座ろうとしたら「こっちや」言うて隣を指定された。
「なんか急に親密度上がってへん?何があったんー?」
「何もないわ、気のせいや」
「えー、ほんまにぃ?」
「…………」
なんで私に聞くの、大倉さん。
変態が気のせいや、何もないと言うなら…
「何もないです」
「えー、つまらんなぁ」
「……あ、思い出した」
スイカ食べずに立ち上がる変態。
どうした、どうした。
「今日、俺らが最後までやんけ」
「せやで」
「すまんけど、ちょっとだけ残っててくれへん?」
「なんで?」
変態が大倉さんに耳打ちをする。
何の話してんのやろ?
というか、大倉さん姿勢きつそうやな。
ほんと身長差凄いわ、この2人。