第1章 夏の思い出作り(赤)
「水着、がやぞ。自分の事やとでも思ったか?」
「まさか。そんな訳ないですよ」
否定したけどさ…
あんなタイミングで
言われたら……ねぇ?
自分の事やと思うやん。
勘違いさせんじゃないわよ、変態め。
(ドキドキした時間を返して)
「……じゃあ、行きましょう!」
海の方へ歩き出そうとしたら
いきなり腕を掴まれた。
そして、手を繋いで来る。
「……何ですか、手なんか繋いで」
「そんな格好してたら変な奴らが寄って来るやろ」
「無いですよ、絶対に」
「分からんぞ?」
「そんな水着の可愛さで寄って来る男の人なんか居ませんし」
「中にはをえぇって思う物好きも居るかもしれんやん」
「物好きって」
居たら居たでありがたいけどね…
って、それ歴代彼氏2名に失礼や。
大体、言い寄られるからって
手を繋ぐ理由にはなるんやろか…?