第1章 夏の思い出作り(赤)
「おいひい」
「食うか喋るかどっちかにせぇ…ついてんぞ」
私の口元についてたチャーハンを
笑いながら取って食べた。
え、なんか恥ずかしっ…
ちょっとお上品に食べようかな…
と、背筋を立て
姿勢を良くしたら
後ろからガタッと冷蔵庫の開く音。
「そこのお2人さん」
「何やねんな」
「いちゃつくん止めて」
「へ?いちゃ…?」
「自動的に1人になる俺の事も考えてや~」
なんて笑いながら
コーラ(瓶)を取り出し
プシュッと栓抜きで開けた。
それ売り物なんじゃ…
「あーぁ、俺もちゃんみたいな彼女欲しーわ」
「作ったらえぇやんけ」
「なぁ、すばるくん止めて俺にせぇへん?」
「おまっ…」
「止めるも何も彼女じゃないですけど」
「やったら、付き合ったらえぇのに」
なんて微笑みながら
コーラを飲む大倉さん。
つ、付き合うって…
「アホか。彼女作ったらもう遊ばれへんやんけ」
「えぇ加減落ち着かな」
「うっさい。さっさと休憩行って来いや」
シッシッて大倉さんを追い払う変態。
そう、この変態は遊び人。
遊び人の彼女は
苦労しそうやから
絶対に付き合う事はあらへん。