第1章 夏の思い出作り(赤)
「口開けろ」
「なんで」
「えぇから」
「…………」
言われるがまま口を開けば
スプーンで何かを入れられた。
モグモグ噛んで飲み込む。
「どや?」
「美味しい、」
「せやろ~。今日は大倉が先に休憩やからな。ちょっと食うとけ、ほら」
「……自分で食べれます」
と、変態から小さいお皿に盛られたチャーハンとスプーンを奪った。
なんかムカつくんやけど
めっちゃ私好みなんよね変態の味付けって。
濃くもなく薄くもなく…っていう。
男前で料理上手って
非の打ち所無いやん。
部屋は綺麗やしさ。
(いかがわしいアレ達を省けば)
ほんと色々負けてる、女として。
「っはぁ…」
「どうした、デカいため息ついて」
「そこの変態には一生勝てないな、と痛感してるとこです」
「何に勝たれへんねん」
「主夫に向いてると思います。幸せにお過ごし下さい」
「会話しようや、会話」
目尻に皺を寄せて笑う。
こんな男前な主夫
なかなか居らんやろうな。
にしても…