第1章 夏の思い出作り(赤)
昨日、この時間には
既に来てたのに
今日はまだ来てへん。
開店までは
まだ時間あるから
大丈夫やけど心配になる。
どうしたんやろ?
「寝坊やろ、どうせ。いつもの事や」
「そうなんですか」
「開店時間過ぎても来んかったら、今日の昼飯ステーキ丼奢らせたろ」
「それ、ここでめっちゃ高いやつじゃ…」
「も食いたいやつ決めときや」
「えっ…それは大倉さんに悪いです」
「かまへんかまへん。アイツはヒナの次にこれ持っとるから」
と、指で輪っかを作る変態。
大倉さんお金持ってるんや。
それよか、ヒナさんって誰?
昨日も気になったけど。
知らん人の名前出されても
どうリアクションしたらいいんか
分からへんわ。
「………おはよー…」
噂をすれば何とやらで
めっちゃテンション低い
大倉さんが登場。
フラフラと畳へ一直線。
私より大倉さんのが
体調悪いんちゃう?