第1章 夏の思い出作り(赤)
扇風機の動いてる音や
外からたくさんの声が聞こえる中
2人っきりで、見つめ合っていた。
「楽しい思い出…ですか?」
「せや。夏は楽しく過ごさな損やん」
確かに、楽しく過ごさなきゃ損っちゃあ損だけど…
何故に、海の家の人と楽しい思い出作らにゃならんのや。
「楽しませたんでー?」
「お断りします、」
財布から千円札3枚抜き出したら
机の上に置いて立ち上がる。
かき氷は他所で買おう。
店員さんの後ろを通る私の手首を…
「ちょい、待ちーな」
と、グッと引っ張る店員さん。
手首とは言え
久し振りに男の人に触られてドキッとした。