第1章 夏の思い出作り(赤)
「なっ、ちょ…」
「……………」
寝息が聞こえたから
起こすのは止めとこ。
かと言って
この体勢のままで居るのは勘弁。
と、変態の体を横へ倒したら「んん…」って声がして一瞬焦るも起きる事は無かった。
「………………」
びっくりしたわ、もう。
横目で変態を見たら
倒したままの体勢で
普通に寝てる。
この変態は油断も隙も
あったもんやないな。
半径30センチとか
大倉さんに近付くなとか…
嫉妬する彼氏かっちゅーねん。
いやいや、嫉妬って。
付き合ってないのにおかしいやろ。
「…………」
ゴロンと寝返り
仰向けになって
顔だけこっちに向け
スースー寝息を立ててる。