第1章 夏の思い出作り(赤)
キスは好きな人とするから
意味があるわけで。
何の気持ちも無いキスなんか…って
変態に言ったところで
分かる訳ないか。
という事で唇を
口の中へ隠す。
「………ほんまガード固いな」
「特別な事は好きな人としかしませんもん」
「せやったら好都合や」
「何が…」
ほっぺに一瞬だけ
変態の唇が触れた。
咄嗟にそこを手で覆うも意味は無くて。
何これ。
嫌がらせ?
好都合って
一体、何なの。
「最低」
「ほっぺたでもあかんのかい」
「当たり前でしょ!今から半径1メートル以内は近付かないで下さい」
「アホか、ちゃうやろ」
「は?」
「半径30センチ以上は離れたらあかん。もちろん、店でもな」
「はぁっ!?それじゃあずっと変態の傍に居なきゃ…」
「あ、あと、大倉に近付くのは禁止」
「なんでっ!!」
「ギャンギャンうるさい。黙らな唇にすんぞ」
「っ…!?」
されたくないから黙り込む。
後でシャワー借りて
思いっ切りほっぺた
洗ってやるんやからっ!
(煮沸消毒や!)