第1章 夏の思い出作り(赤)
「ほら、入れ」
「……お邪魔します」
「おー。せや、腹減ってへんか?」
「空いてます、めっちゃ」
「昼飯がかき氷だけやと、あの暑さの中じゃあもたんて」
「なんでかき氷だけって知ってるんですか」
「見てたからや」
「変態ストーカー」
「なんか余計なん付いてへん?」
「じゃあ、エロ変態ヒゲ面…………あっ!」
「何やねん、人の顔見てびっくりすんなや」
「無い!」
今朝感じた違和感。
それは髭。
昨日はうっすら?と生え始めみたいな髭があったのに綺麗さっぱり無くなってる!
「今頃か」
「何となく違和感はあったんです」
「気付くのにどんだけ時間かかっとんねん。もう1日終わりかけとるぞ」
「髭無いと若く見えますね、いくつなんか知りませんけど」
「28や」
「どぅえっ!?28!?」
「おっさんやんってか?」
「ちゃ、ちゃいます。てっきり26とばかり…」
「26も28も対して変わらんやんけ」
と、先に部屋へ上がり荷物を降ろす変態。
その後を追い掛けるように私も上がる。