第1章 夏の思い出作り(赤)
「いつまでそこに居んねん」
荷物を持ったまま
部屋のドアを開けた変態。
突っ立ってる私に
中へ入るように催促する。
私、帰らへんなんて
一言も言うてへんのに。
あの部屋へ入ると
変態からの挑戦を受ける事になるけど…
「今、行きます」
少し駆け足で変態の元へ。
惚れさせたるわ、とか
好きって言わせる、とか
言われた事の無い台詞に
ちょっとだけ心が
浮き立ったのも事実で。
100%危険やと分かってても
それはそれで
ひと夏の思い出とすればいいか、なんて
馬鹿げた考えになったのは
暑さとしんどさで
脳みそが的確な判断を出来なくなったから
と、言う事にしとく。